遼、ホールインワン宣言…日本シリーズ２９日開幕

遼が日本人初の１８番エースに挑戦だ。男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズＪＴカップ（報知新聞社主催）は２９日から４日間、東京よみうりＣＣ（７０１６ヤード、パー７０）で開催される。アマチュアで初出場する石川遼（１６）＝杉並学院高１年＝は２７日、同コースで練習ラウンドを行い、名物ホールの１８番パー３で、シリーズ史上１度しか達成されていないホールインワンに意欲を見せた。

　石川の目が輝いた。グリーンの傾斜がきつく、難易度の高い１８番パー３（２２７ヤード）。過去に日本シリーズでは２１３２人がティーショットに挑み、エースを達成したのは９８年の第３日のＥ・エレラ（コロンビア）だけ。日本人初となれば「出たら、スペシャルにさらにスペシャルがついちゃう感じ。一生ホールインワンが出来なくてもいい」と目尻を下げた。

　ゴルフ歴９年でエースはなし。しかもこの日は１８番で３度ティーショットを打ち、３番ウッドではグリーンを捕らえたが、２番アイアンの２発は１オンに失敗した。それでも、１５番パー３（１９４ヤード）では１メートル以内に寄せるスーパーショットを見せ「狙って入れるプロはいないけど可能性はある」と自信をちらつかせた。

　不安だったショットも自信を取り戻した。朝の練習で、ボールを等間隔に５球置いて、５番アイアンを使って一本足打法で連打。「ヘッドが止まらないので、手で操作したりできない。体重も乗るし、体を回すしかない」スムーズにスイングできるようになって「昨日とは別人」と笑った。

　ただ油断はしていない。「打ち上げのホールは苦手」と落としどころが見えない１４番パー４（３６４ヤード）を警戒。「目線が高くなってしまう。土手に当てるくらいのイメージで打ちたい」と帯同キャディーにチェックしてもらいながら４度ティーショットを打った。１度は見事に土手に命中してしまったが、残り３発は３００ヤードを超える会心の当たりをみせた。

　「ワクワクしている。これが今季最終戦なのは寂しい気がするけど、成長した姿を見せたい」ギャラリーの注目を最も浴びる名物ホールで快挙を達成し、最高の１年を締めくくる。

　◆１８番の難しさ　過去１０年間の平均ストロークは３・２９２で難易度はＮＯ１。グリーンは奥から手前に急傾斜しており、奥からは軽く打っただけでグリーンからこぼれる場合もある。打ち下ろしのように見えるが、バックティーとグリーンの高低差はわずか１ヤードしかない。また、ホールインワンの出る確率はプロで３７００ラウンドに１回、アマチュアを含めると３万３０００ラウンドに１回と言われている。

参照元：スポーツ報知