谷、世界柔道出場危機…右ひざじん帯、半月板損傷

全日本柔道連盟は２７日、五輪５大会連続でメダルを獲得している女子４８キロ級の谷亮子（３３）＝トヨタ自動車＝が、北京五輪後の復帰戦として出場を予定していたフランス国際（２月７―８日・パリ）を欠場すると発表した。１９日の練習中に負傷。「右ひざ内側の側副じん帯損傷、内側半月板損傷」と診断され、８月の世界選手権（オランダ）出場にも黄信号が点灯した。

　戦線復帰を目前にした谷が、思わぬけがに見舞われた。１９日の乱取り中に相手に乗られて右ひざを負傷。全日本女子の園田隆二監督（３５）は「強い痛みがあり、しばらく練習が困難。本人も欠場を選んだ」と説明した。谷は五輪３連覇を狙った北京で銅メダルにとどまったが、２０１２年ロンドン五輪への出場を目指して現役続行を決断。年明けの代表合宿には参加せず地元・福岡での調整を続けていた。

　国際柔道連盟は１月から五輪出場資格を懸けたランキング制を開始し得点の獲得できる大会を主に４段階に格付けした。フランス国際は得点配分の一番高いグランドスラムに位置づけられている。全柔連では１月から３月の欧州大会の成績を世界選手権（８月２６～３０日・ロッテルダム）の代表選考の材料として重視しており、過去７度の優勝経験を持つ谷の出場はさらに厳しくなった。

　世界選手権はグランドスラム大会よりも得点配分が高くロンドン五輪を目指す上でも重要だ。谷の代替出場となる福見友子（２３）＝了徳寺学園職＝や、フランスとグランプリ大会のドイツ国際（２月２１～２２日、ハンブルク）に出場する山岸絵美（２２）＝三井住友海上＝ら同階級選手に一歩後れをとることになる。

　ただ、これで終わったわけではない。全柔連の吉村和郎・強化委員長（５７）は、全日本選抜体重別選手権（４月４～５日・福岡国際センター）での優勝を最低条件にした。「福見と山岸の国際大会の結果もあるが、谷が福岡で優勝してロシア国際（５月２３～２４日）に出たいと言った場合は、ロシア国際が終わるまで世界選手権の代表選考はずれ込む」と話し、谷の回復をギリギリまで待つ意向を示した。

参照元：スポーツ報知