木佐貫７回１失点９勝！新人０３年以来２ケタ王手！

　◆横浜２―５巨人（１日・横浜）　剛球だった。木佐貫はすべての力を右手に込めた。６回２死一塁。佐伯へフルカウントからの９球目。外寄り高めの１４４キロ直球にバットは空を切る。力でねじ伏せた三振だった。ベンチに戻り、阿部に「（カウント）２―１からそれくらい腕を振れ」としかられたが、辛口の主将を納得させるキレだった。

　初回先頭・仁志にいきなり四球を与え、２死からは金城にアーチを浴びるなど、立ち上がりは制球に苦しんだ。それでも低めの変化球を振らせてリズムを取り戻し、２回以降ゼロを並べた。７回まで今季最多の１１４球を投げ、６安打１失点。９勝目を挙げた。「悪いなりに抑えられたが、結果オーライが多すぎる」と自分に厳しかったが、原監督は「粘り強く投げた。春先からローテを守ってくれて、頼もしく映る」と称賛した。

　これで今季は横浜戦５戦４勝。防御率も２・６１と安定している。この試合の前までの１５試合で３割４分４厘と巨人戦で好調の仁志も、この日は３打数無安打に抑えた。「たまたま横浜と対戦する機会が多いだけですよ」とかわしたが、３位の“ハマキラー”の存在は心強い。

　今年は悔いを残したくない。体のバランスを調整するため昨オフ、高級マウスピースをオーダーメード。それを着け、寝るようにした。慣れないうちはのどに詰まらせ、飛び起きたことが３度もあった。「でも、体にいいと聞いたことは何でも試そうと思って」

　ルーキーイヤーの０３年以来となる２ケタ勝利に王手。「１０勝が大きい通過点になるけど、そこに合わせるのではなく、あえて大きな目標に向かいたい」自宅にはウイニングボールを飾るケースがある。今季の目標とした１５個の白球が並ぶまで、手綱は緩めない。

参照元：スポーツ報知