原巨人不可解、同点７回１死満塁で二岡に代打

◆巨人２―４広島（１５日・東京ドーム）　巨人は谷の１８試合ぶりの本塁打で挙げた２点を守れず逆転負け。２度の満塁機を生かせず、４カード連続勝ち越しなしのドロ沼だ。特に７回１死満塁、原監督は５回に守備で超ファインプレーを見せた５番・二岡に対して、１軍昇格したばかりの小関を代打に送る大勝負に出たが、実らなかった。中日が阪神に勝ったため、５月２８日から守ってきた首位の座から陥落。１６日からは球宴前、最後のカードとなる阪神３連戦（甲子園）に臨むが、再び首位に立って前半戦を締めくくることができるか？

　意を決した代打策が、不発に終わった。同点の７回、１死満塁。打席に向かおうとしていた５番・二岡を原監督が呼び止め、「代打・小関」をコールした。犠飛でもスクイズでも併殺崩れでも、勝ち越せる場面。結果は内角の変化球をハーフスイングしての３球三振だ。

　小関「（代打に起用されたことは）それは試合の流れなので。何とか走者をかえそうと思ったんですが…」ベンチの手すりにバットをたたきつけて悔しがった。

　谷の左前安打、敬遠を含む２四球でつかんだ千載一遇のチャンスだったが、続くホリンズも倒れ無得点。結局、９回、３番手の林が代打・嶋に２点適時打されてジ・エンド。中日が阪神に勝ったため、首位から転落。５月２７日以来の陥落だ。

　なぜ、二岡に代打だったのか？試合後、この質問が続いた。

　原監督「勝ち越しのための確率を高くすることが、ゲームの中では大事なことだから。小関は経験も（豊富に）あるということで何とか、と…。５番打者に（代打）というところもあるが、そういうことを考えさせない二岡になってもらいたい」

　二岡には〈１〉得点圏打率がリーグ２位の４割１分１厘〈２〉５回、２死二塁のピンチで梵のライナーを背走キャッチする最高のファインプレーを見せ、気持ちが乗っている〈３〉マウンドの宮崎に対して今季、２打数２安打―という好材料があった。その一方、〈１〉前日（１４日）の試合で好機に併殺打〈２〉左打ちで走力もある小関の方が併殺のリスクも減る―という対極のデータも浮かんだ。一瞬の判断を迫られる場面で葛とうし、代打を告げた。

　二岡「ベンチの指示ですから、しょうがないです。それしか言えないです」

　一方、宮崎は「二岡さんなら『やばい』と思ったんですが…」と試合後、振り返った。

　その後も勝利への執念を見せた。８回、２死。栗原が高橋尚にタイミングが合っていたと判断し、豊田にスイッチ。その裏、豊田をそのまま打席に立たせ、続投を選択したが、９回、先頭・新井、アレックスと連打を許した。そして、林が嶋に痛恨のヒットを許した。７月に入り、５度目の逆転負けだ。

　交流戦終了後、５カードを消化して勝ち越したのは６月２９日からの広島３連戦のみ。貯金は５月３０日以来のひとケタとなる９となった。１６日からは甲子園に乗り込み、阪神と前半戦最後の３試合に臨む。今は、ただ我慢するしかない。

参照元：スポーツ報知