内藤、大毅眼中なし

◆プロボクシングＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチ　王者・内藤大助―同級１４位・亀田大毅（１１日、東京・有明コロシアム）　大毅、眼中なし！？　王者内藤大助（３３）の所属する宮田ジムが、目前に迫った亀田兄弟の二男、大毅（１８）との因縁決着戦よりも、初防衛成功後に控えるＶ２防衛戦を重要視していることが６日、明らかになった。大毅に勝てば、１２月に敵地タイで前王者ポンサクレック・ウォンジョンカムとの再戦が濃厚。宮田博行会長（４０）は「内藤の正念場は亀田戦よりもＶ２戦」としている。

　亀田家との因縁決着戦以上の過酷さだ。宮田会長は内藤が大毅に勝った場合、１２月５日にタイで前王者との再戦を課される可能性があることを６日、明らかにし「本音を言えば、亀田よりもポンサクレックとの再戦が正念場だと思ってる」と言い切った。

　今回の大毅との世界戦は、前王者陣営が握る２つの対戦相手の指名権を１つ買い取る形で実現した。大毅相手に初防衛に成功した後は、前王者陣営がこの指名権を行使する可能性が高く、内藤は中１か月の準備期間で、タイで戦わなければならなくなる。宮田会長も「亀田を倒した国民的英雄の世界チャンピオンを、タイまで行かせてやらせるのはかわいそう」と話し、買い取り交渉などで１２・５タイでのＶ２防衛戦を延長させたい考えを示した。

　渦中の内藤はこの日、スパーリングを打ち上げた。“仮想大毅”として９階級も上の馬力のあるスーパーウエルター級ボクサーを相手に、ノンストップ１５分のマスボクシングを敢行。減量も順調で「超ハイテンションですよ」と好調ぶりをアピールした。

　その内藤を偵察するために、前王者陣営から４人の関係者が１０日、タイから来日。１１日の試合当日に会場で内藤の試合を見届ける。大毅戦での内藤のダメージなどを見るのが目的で、よほどの負傷でもないかぎり、１２・５タイでの試合をねじ込まれそうだ。「決して亀田を軽視してもいないし、どうなるか分からないのがボクシングだが、内藤の勝利を信じている」と宮田会長。内藤が、まさに「前門の虎、後門の狼」状態となった。

　◆１２０％の仕上がり　内藤はスパーを打ち上げ、「１２０％の仕上げだ」と充実の表情を見せた。減量も１か月前から準備を始め、５日の練習後の時点でリミット５０・８キロまで残り６００グラムと順調。この日おろした新品リングシューズには、あこがれの偉大な世界王者リカルド・ロペスの異名「ｆｉｎｉｔｏ」（スペイン語で素晴らしいの意）も縫いつけ「早く試合がしたい」と笑顔を見せた。

参照元：スポーツ報知